生産備蓄 (防災担当の災害対策ノート)

兼業農家の防災担当者が、農業と災害対策について語ります。

防災 熊本地震 避難所 その2

みなさん、こんにちは。

防災担当の農家です。

 

 

seisanbichiku.hatenadiary.jp

 

今日は、昨日の熊本地震 避難所の続きです。

 

(※私の大阪弁はイメージです。そのあたりはご容赦を)

 

■夜の避難所の玄関に、小さな子供を連れたお母さんが、ぽつんと立っています。

おせっかいな大阪おばちゃんの登場です。

「あんた、そんな寒いところで、子供を連れて、なにしとる。はよう、こっちに入りな」

「いえ、私はここでいいんです」

「なにゆうとんの、そんなところにいたら、子供が風邪ひくで。はよう、なかにはいりな」

「いえ、中に入ると子供が騒いで、ほかの人の迷惑になりますから」

「子供は泣くのも騒ぐのも、当たり前。泣きも騒ぎもせんで、大きくなった大人はおらへん。はようこっちにきいな。風邪をひかせたら、子供がかわいそうやで」

「はあ」

「あんたみたいな、お母さんを集めた場所があるから、そこにきいや」

「わかりました」

 

■最近は、おせっかいな大阪おばちゃんが減りました。

世話好きのおばちゃんがどんどん減っています。

小さな親切、大きなお世話。

これを、

小さな親切、どうもありがとう。

このように、したいです。

 

地震などの災害が起きたとき、

あなたを助けてくれるのは、地域のコミュニティです。

警察、消防、自衛隊が助けられるのは、ほんの一握りでしかありません。

 

■笑顔で生き残るために、

地域のコミュニティに参加してもらいたいです。

そして、

困っている人がいたら、

おせっかいの大阪おばちゃんに、なってもらいたいです。

 

 

防災 熊本地震 避難所 

みなさん、こんにちは。

防災担当の農家です。

 

今回の話題は、おせっかいな大阪おばちゃんの必要性です。

 

熊本地震では、たくさんの避難者が出ました。

特に余震が多く、避難所はどこもいっぱいです。

 

避難所では、小さい子供を連れたお母さんたちは大変です。

地震の恐怖、不慣れな環境、知らない大人たち。

子供たちがぐずるのも当然のことです。

 

■そうなると、お母さんは避難所の中に、いられません。

熊本地震発生から数日後、

雨が降る夜に、小さな子供を連れたお母さんが、

避難所の玄関に立っていました。

雨が吹き込む、寒い玄関です。

「そこは寒いでしょう。中に入ったらどうですか」

職員が声をかけます。

「いいんです。私はここでいいんです」

おかあさんは、職員が作業を終えて帰る時にも、そこに立っていたそうです。

 

■周りに迷惑をかけるから、避難所の中に入れない。

特に、子供連れのお母さんたちは、そのようなことを考えます。

 

■しかし、本当にそれでいいのでしょうか。

誰もが、子供のころは、人に迷惑をかけて、大きくなったはずです。

抵抗力の弱い子供が、寒い外にいて、それでいいわけがありません。

そんな時、必要なのが、

おせっかいの大阪おばちゃんだと考えます。

明日に続きます。

 

ソーラーシェアリング ダイズの選別

みなさん、こんにちは。

防災担当の農家です。

 

■ソーラーシェアリングの下で、収穫した大豆の選別です。

今年の大豆は、豊作でした。

■大豆は、その大きさによって、大、中、小に選別します。

今年は、ほどよく乾燥して、きれいな肌の大豆がたくさんできました。

農業をやっていてよかったと思える瞬間です。

■今年は、この大豆を使って、味噌を仕込む予定です。

無農薬、無肥料、自家採取の大豆です。

 

■ソーラーシェアリングの下ですから、

思いっきり光を浴びたわけではありません。

無農薬ですから、多少、虫の害があります。

無肥料ですから、そんなに多くとれるわけではありません。

 

■困難な環境の中で、たくましく育った大豆です。

普通の大豆とは、生命力が違います。

この大豆を使った、味噌の仕込みを、計画しています。

 

 

 

防災 熊本地震 死因

みなさん、こんにちは。

防災担当の農家です。

 

熊本地震の死因

熊本地震でも、多くの人が、地震の直接的な影響で、亡くなっています。

内訳を説明します。

死者50名

橋が落ちて、転落死。1名

火事 焼死 1名

家がつぶれて、圧死 48名(旧建築基準)

 

■圧死のほとんどは、旧建築基準法で建てられた家でした。

新しい建築基準法では、死者はいませんでした。

大きく壊れた家もあるでしょうが、クチャっとつぶれて、死者が出た家はありませんでした。

 

■まだまだ、旧建築基準法で建てられた家が多く残っています。

政府は耐震診断などに補助金を出しているし、耐震補強工事にもお金を出しているようですが、なかなか進んでいません。

 

■実家も、旧耐震基準で建てられた家です。

地震が来たら、壊れてしまうだろうなあと、考えています。

耐震補強工事をしたらと話しても、面倒だからやりたくないと言います。

 

■80歳の父と74歳の母です。

このままでいたい、新しいものは欲しくない。

地震が来たら、その時はその時。

もう十分生きたから、

そう言われると困ってしまいます。

 

■準備しておけば、避けられるものです。

いつ来るかわからないのではなく、来るのは間違いない地震なのです。

対策がなかなか進まず、歯がゆい思いをしております。

 

 

防災 災害関連死について

防災 災害関連死について

 

みなさん、こんにちは。

防災担当の農家です。

 

www.nishinippon.co.jp

■災害関連死

 熊本地震の、関連死が200人を超えました。

直接死が50人に比べて、関連死は200人。

地震の影響でなくなった人に比べると、その数は4倍以上です。

 

大自然の猛威でなくなったことは仕方ない。

地震による直接死については、また説明します)

しかし、関連死については、少しの知識と行動力があれば、防げたのではないか。

 

■災害関連死の原因について、調べてみます。

www.asahi.com

エコノミー症候群が原因で、血管が詰まって亡くなる。

そう考えている人が多いのではないかと思います。

しかし、そのような原因でなくなるのは、ごくごく少数なのです。

 

■災害関連死を詳しく調査していくと、

怪我をした時の消毒薬がない。

衛生管理をするための、日用品がない。

抵抗力の弱い子供やお年寄りが、物がないために、重症化して、亡くなってしまう。

 

■薬が飲めない。

持病の薬がない。病院もやっていない。

薬がないと、とっても痛い。

こんな苦しみがつづくなら……

自殺者のほとんどが、このような理由でなくなっています。

 

■ちょっと待ってください。

薬や日用品は、被災地から離れれば、たくさんあるはずなのです。

熊本県内でも、被害を受けていないところはたくさんあります。

 

エコノミークラス症候群を発生するかもしれないリスクにおびえながら、

日用品も薬もない被災地に、被災者はとどまる必要があるのでしょうか。

 

■被災地から、ちょっと離れれば、普通の街の風景です。

被害のない街に行ければ、これだけの災害関連死は、なかったのではないかと思えて、仕方ありません。


決められる人間を連れてこい!!

みなさん、こんにちは。

防災担当の農家です。

 

熊本地震の時、

熊本県災害対策本部で、防災対策監が怒鳴りました。

「ばかやろう。決められる人間を連れてこい!!」

 

これは、

防災対策監の指示に対して、

「その件につきましては、持ち帰って検討します」

と、とある部署の職員が答えたからです。

 

そして、

「ばかやろう!!

てめらが、検討している最中に、

現地では、一分一秒で、人が死んでいるのだ。

すぐに、決められる人間を連れて来い」

 

こう続きます。

 

■防災対策監は、会社の組織だと、副社長です。

結構偉い人です。

ただし、外部の人間なので、あまり強い権限はありません。

 

うるさ型の上司なので、

実際に権限を持っている、専務とか常務に煙たがられます。

また元自衛官なので、非常時の専門知識は持っています。

ただし、会社の内情はよくわかりません。

 

■銀行から会社に送り込まれた役員。

専門知識はあるけど、会社の雰囲気にはなじめない。

そんな感じです。

 

■そうなると、副社長と専務・常務の間に壁ができて、副社長は浮いた存在になります。

相互の連携がうまくいきません。

 

■災害対策本部では、

専務や常務が、非常時なのに、

普通の時と同じ対応をして、副社長が怒るのです。

「てめえら、検討しているだけで、何も進まないじゃないか。

現場では、一分一秒が大切なんだぞ!」

 

■最後には、社長が、「副社長、お前の好きにやれ」となります。

これでようやく、災害対策本部が、順調に動き始めます。

 

■防災担当の農家は、みなさんに、準備の大切さを話しています。

そして、人と人とのコミュニケーションにも、準備が大切なのです。

これも結構難しいのです。

 

国が変われば、非常口も変わる。

国が変われば、非常口も変わる。

 

みなさんこんにちは。

防災担当の農家です。

 

■海外旅行で、ホテルに到着したとき、みなさんは非常口の確認をしますか?

せっかく旅行に来ているのに、そんなことまでしたくないと思う人が、多いのではないでしょうか。

 

■ホテルには必ず、非常口を取り付けることになっています。

だだし、それがちゃんと機能するかどうかは、試してみないとわかりません。

また、国によっては、ドアの開け方に特徴があったりします。

 

■アメリカ ハワイで実際にあった話です。

ホテルに泊まって、一息入れたとき、じりじりじりと非常ベルが鳴り響きます。

何が起こったのかわかりませんが、とにかく、貴重品を持って、廊下に出ます。

非常口を探して、右往左往。

ようやく非常口を見つけて、ドアを開け、階段を下りていきます。

 

■宿泊したのは26階。

階段を下りても、下りても、なかなか1階にたどり着きません。

ようやく1階にたどり着いたら、もうへとへとです。

 

■宿泊客が騒いでいます。

ドアノブをガチャガチャ動かし、ドアをどんどん叩いています。

非常階段から外に出るための、ドアがあかないのです。

 

■みんながパニックになりかけたとき、一人のアメリカ人が出てきて、ドアに手をかけて、ガチャンとノブを押し込みます。まだ開かない。そしてもう一つ、ガチャンと押し込みました。

そうしたら、ドアが開きました。

「Go Away」

その声を聴いて、みんな大急ぎで、外に出ました。

 

■ホテルから外に出る非常口には、防犯のため、2重ロックがかかっていました。

そのことは、ホテルの非常口説明書に書かれていたのですが、集まった宿泊客は誰も読んでいなかったようです。

 

■非難するための手順を確認することは、大切です。

その国によって、いろいろ特徴があります。

生き残るために、ちょっとだけ、知識を持っていることも重要です。