生産備蓄 (防災担当の災害対策ノート)

兼業農家の防災担当者が、農業と災害対策について語ります。

予防に勝る対策なし

予防に勝る対策なし

みなさん、こんにちは。

防災担当の農家です。

今回は短いです。

 

■今日は、防災講演会でした。

熊本地震の時、熊本県災害対策本部で、最高責任者の話です。

その場所、その時間に、いた人しかわからない、生の声を聴きました。

 

■予防(準備)に勝る対策なし。

このことを、繰り返し、話しておりました。

 

■まったく、そのとおりです。

大災害が起きてから、どんなことをやっても、十分なことはできないのです。

自然の力の前では、人間の力は無力です。

 

■できるのは、ありそうなことを予測して、準備しておくこと。

これしかありません。

 

■みなさんは、どんなところを目標に、準備をしているでしょうか?

避難所に行って、しばらくすれば、救助が来るから大丈夫。

3日間は、救助が来なくても、自分だけで生き残れる準備をしておく。

 

■予防(準備)に勝る対策なし。

設定した目標によって、準備は全然違います。

一度考えてみてください。

 

 

大豆の収穫

みなさん、こんにちは。

防災担当の農家です。

 

■ソーラーシェアリング下の、大豆の収穫をしました。

625㎡で、約100キロほどの大豆が収穫できました。

 

 

 

■写真だと、半分くらいが日陰になっているように見えますが、朝や夕方は、このくらいの影ができます。

設計では、遮光率30%です。

約3割が日陰になります。

日蔭ができると、収穫量が減少するように思えますが、大豆にはほとんど影響がありません。

 

■今年は、種をまいてからしばらく、雨が降らない時がありました。

畑は、カラカラの状態で、芽がなかなか出ませんでした。

それでも、太陽光パネルの下は、乾燥が和らげられるのか、発芽は悪くはなかったように感じます。

 

■すべての植物が、ソーラーシェアリング下で、ちゃんと育つのかどうか。

これはわかりません。

農業は難しいです。

 

畑の性格があります。

気象の状況も変わります。

毎年同じように収穫できるわけではありません。

 

■今まで、いろいろな作物を作りました。

蕎麦は、ソーラーシェアリングには向かないようです。

カボチャも向かないようです。

 

■サツマイモ、サトイモ、落花生、大豆はまったく問題ありませんでした。

通常に作るよりも、品質が良かったようでもあります。

 

■防災担当の農家は考えます。

最近異常気象が多発しております。

その原因の一つが、地球温暖化です。

 

■温暖化の対策としては、二酸化炭素の排出を減らすこと。

ソーラーシェアリングは、発電をしながら、野菜を作ります。

二酸化炭素を排出せずに、二酸化炭素を吸収します。

カーボンニュートラルの上をいく、カーボンマイナスの施設です。

 

地球温暖化を少しでも緩和できる施設であると、考えております。

農業は、環境とともに歩んでいく産業です。

自分のできる範囲で、実行していきます。

 

帰宅困難対策 地方 燃料編 その3

みなさん、こんにちは。

防災担当の農家です。

 

■災害時には、ガソリンの確保が困難になることを伝えました。

それでは、自動車を動かす場合、一番いいのは何でしょうか?

 

■一番に挙げられるのは、電気です。

ライフラインで、一番最初に復旧するのは電力です。

この電力を使う電気自動車は、どこでも充電できるため、地震などの災害が起きたとき、一番頼りになると考えられています。

 

■ただ、電気自動車は、まだ発展途上の技術です。

走行距離、充電時間、稼働台数、非常時の信頼性。

防災のように、命に直結するような現場は今一つです。。

 

■現状での一番良いとされているのが、ディーゼル車です。

理由は、ガソリン車に比べると、ディーゼル車は数が少ないことです。

数が少なければ、給油量も少なくなります。

東日本震災時においても、軽油はガソリンほどひっ迫しませんでした。

 

■軽油は安全な燃料であり、ドラム缶に入れて、トラックで輸送することも可能です。

ガソリンのように、専用の車を用意し、専用の施設でないと給油できないわけではないのです。

 

■災害現場では、がれきを撤去するためにバックホウやパワーショベルなどの重機が必要です。

土砂を運ぶためにダンプが必要です。

これらの機械は、軽油で動きます。

そのために、ガソリンよりも、軽油を優先的に運ぶ必要が出てくるのです。

 

■新しく車を買うのであれば、今の段階ではディーゼル車がベターです。

あと、10年もすれば、電気自動車がベストの選択になるかもしれません。

 

ただ、ダンプトラックやパワーショベルが電気で動くようになるとは思えません。

ガソリン車は、これから少なくなってくるとは思いますが、ディーゼル車はあまり変わらないのではないかと考えています。

帰宅困難対策 地方 燃料編その2

みなさんこんにちは。

防災担当の農家です。

 

■災害時のガソリンについて、話をしました。

その続きです。

http://www.enecho.meti.go.jp/statistics/petroleum_and_lpgas/pl006/pdf/stptrpl006_h28_003.pdf

日本国内の、石油関係の能力を表示しておきます。

 

平成28年現在 日本国内のガソリンや軽油などを運ぶタンクローリーは5443台です。これが毎日、ガソリンスタンドと油槽所を回りながら燃料を運んでいます。

 

■みんな毎日稼働しています。遊んでいるタンクローリーはありません。

そして、タンクローリーは年々減っています。

車が減少し、ガソリンスタンドが減っているのですから、当然です。

 

■大きな災害が起きたから、一時的に被災地に派遣することはできるかもしれませんが、稼働している油槽所からの移動時間を考えると、何回もできるものではありません。

東日本大震災の時、新潟から岩手まで運んだ事例もあるようですが、その時はどれだけの時間がかかったことでしょう。

通常の業務をこなしながら、長距離移動です。ドライバーは大変だったと思います。

 

■ガソリンは、危険物質です。

常温で気化して、静電気の火花で燃え上がります。

ですから、専用の施設で製造し、専用の車両で運搬し、専用の施設でしか販売できません。

この、専用の〇〇 どこが動かなくなっても、ガソリンを販売することができないのです。

製油所から、ドラム缶にガソリンを入れて、被災地にもっていき、直接自動車に給油することはできないのです。

 

■ガソリンは、とっても注意しなければならない燃料なのです。

 

帰宅困難対策 地方 燃料編

みなさん、こんにちは。

防災担当の農家です。

 

東日本大震災では、燃料の確保に苦労しました。

前回、製油所、油槽所の停止期間について、話をしました。

今回は、ガソリンについての説明です。

 

■車の燃料として思い浮かぶのは、ガソリンではないでしょうか。

ほとんどの乗用車が、ガソリンで走ります。

最近は電気自動車も増えてきてはいますが、その数はほんの少しです。

 

■乗用車の燃料がガソリンであることが、非常時の燃料供給を難しくしています。

ガソリンスタンドでの燃料比率は、ガソリン1/2、軽油1/4、その他1/4くらいが多いです。

何もなければ、これで十分回ります。

 

■しかし、何かが起こったとき、みんながガソリンを確保しようと買いだめに走ったとき、問題が発生します。

ほとんどの乗用車が、ガソリンであるため、すぐにガソリンがなくなります。

ガソリンスタンドが、燃料を発注しようとしても、製油所、油槽所は動いていません。

 

■それなら、ガソリンを多めに備蓄しておけばいいのではないかと思われますが、最近の車は燃費が良くて、あまりガソリンを使いません。

ハイブリットや軽自動車はリッターあたり20キロ以上走ります。

さらに車の保有台数はだんだん減ってきています。

ガソリンの消費量は減ってきているのです。

 

■このような状態では、ガソリンをたくさん持っていることは、ガソリンスタンドとしては、大きなリスクになります。

だから、必要以上にガソリンを持つことはしません。

 

■乗用車の燃料のほとんどがガソリンだから、ガソリンがすぐになくなる。

これは、日本の車の種類を考えれば、当然のことなのです。

 

■大地震が起こったとき、乗用車の燃料を確保するのは、大変です。

だから、皆さん、普段から、早め早めに燃料を入れておいてください。

 

 

 

帰宅困難者対策 地方

みなさん、こんにちは。

防災担当の農家です。

今回は、防災と帰宅困難者対策 地方編です。

 

■地方部の移動手段は、自動車になります。

自動車の場合は、電車と違って、不通になることはありません。

道がつながっていれば、移動することができます。

 

■地方で問題なるのは、ガソリンです。

 

東日本大震災の後、宮城県釜石市で話を聞きました。

 

震災の一週間後からしばらく、

一番欲しかったのは、ガソリンだそうです。

 

衣食住は、みなさんの援助でどうにかなった。

だけど、ガソリンはどうにも手に入らない。

ガソリンがないと、車が動かせない。

 

■どうして、ガソリンが手に入らなくなるのでしょう?

 

■まず、製油所(原油からガソリンなどを作っているところ)の現状を説明します。

 

震度5強以上で製油装置が自動停止します。

つまり、燃料の生成が止まります。

震度6弱以上で動力装置が止まります。

つまり、出荷ができなくなります。

 

■被害箇所がないか、点検をして、搬出体制が整うまでには、7日から、10日くらいの期間が必要です。その間は、ガソリンなどの出荷はできません。

つまり、製油所、油槽所に被害がなくても、7日から10日間は、燃料の供給は止まります。

 

■火災や津波などの被害があれば、復旧までに1年以上必要になります。

 

東日本大震災では、全国の3割の製油所が機能を失いました。

 それで、あれだけのガソリンスタンドに大行列が起きたのです。

 

■大きな地震が起これば、製油所、油槽所は7日から10日間は機能停止します。

その間は、ガソリンスタンドに、ガソリンは来ない。

 

■みなさんは、ガソリンはいつ給油するでしょうか?

燃料が空になってからでしょうか?

地震はいつ起こるかわかりません。

できるだけ、早め早めに給油をお勧めします。

ソーラーシェアリング

みなさん、こんにちは。防災担当の農家です。

今回は、防災と太陽光発電(ソーラーシェアリング)について話をします。

 

東日本大震災の後、計画停電がありました。

道路一本挟んだ向こう側は電気がついているのに、自分のところは停電している。

そんな経験をした人も多いのではないでしょうか。

今の生活を維持するのに電気は必要不可欠です。

防災活動をするにも、電気がなければ始まりません。

 

東日本大震災の後、再生可能エネルギーが注目され、太陽光発電所がたくさんできました。日本は資源が少ない国ですから、再生可能エネルギーが普及することは良いことだと考えております。

 

■防災担当の農家は、農家ができる再生可能エネルギーを選んでみました。

それがソーラーシェアリングです。

 

■これは、農地の上に太陽光パネルを設置して、発電しながら農作物を収穫する方法です。農地をつぶして太陽光パネルを設置するのではなく、農業を実際に行いながら、発電を行います。

太陽の光を、発電と作物が分かち合いながらやっていくのが、ソーラーシェアリングです。

 

■私の畑では、落花生、大豆、サツマイモ、ブルーベリーを作っています。

ソーラーシェアリングをやっていない畑とそん色のない収穫ができています。

 

■生産備蓄の考えは、自給自足です。

食べ物はもちろんのこと、エネルギーも自給することを考えて、ソーラーシェアリングに取り組んでいます。

 

■大豆の収穫がもうすぐです。

この大豆は味噌にして、皆さんに食べてもらう予定です。

 

■私たちにできるのは、準備をすることです。楽しみながら準備をして、笑顔で生き残っていきましょう。


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