生産備蓄 (防災担当の災害対策ノート)

兼業農家の防災担当者が、農業と災害対策について語ります。

帰宅困難者対策? 実践

帰宅困難者対策訓練 実践

防災担当の農家です。

 

防災対応で、一番有効であるのは訓練です。

知識だけ集めても、役に立ちません。

現場では、予想外のことが、山のように起こります。

 

帰宅困難者対策訓練、やってみるわけです。

 

■やるからには、失敗してはいけないのです。

失敗とは何か?

批判を受けること。これが失敗とされます(自分的には疑問です)。

 

批判を受けないように防災訓練を企画します。

とにかく間違いがないように、細心の注意を払って対策します。

自分としては、訓練の時に盛大に失敗して、問題点を探り出すことが必要だと考えますが、できません!!

 

■事前にルートを厳選し、交通事故が起こりそうな場所には人を配置し、団体旅行のように旗を持った人を先頭に配置して、帰宅困難者対策訓練を始めます。

 

最終目的地の公園では、記念品を用意します。

 

気分が悪くなった人のために、看護師も配置して、車で巡回します。

 

■何か違う……

参加者は、定年退職した元気なお年寄りがほとんどです。

ウオーキングシューズを準備して、準備万端です。

家にいて、帰宅困難にならないような人しか参加していません。

 

■本当に帰宅困難になりそうな人は、忙しくて参加できません。

何か違う……

 

東日本大震災の時には、停電で電気が消えた真っ暗な中を、歩いて帰ったわけです。

いろいろ危ないこともあったと思います。

批判を受けない訓練も必要かもしれませんが、

過保護な訓練で、大丈夫かと思ってしまいます。

 

■これから、朝晩は寒くなりますが、昼間はウオーキングにはよい季節です。

忙しいビジネスマンも、帰宅困難者対策訓練として、歩いてみてはいかがでしょうか。

健康のためでもありますし、必ず、新しい発見があります。 

 

帰宅困難者対策?

防災担当の農家です。

 このような記事があります。

 帰宅困難対策として、20キロを実際に歩こうというものです。

大経大は今年1月、地元東淀川区と「災害に強いまちづくりに関する連携協定」を締結。プロジェクトは協定の一環として企画され、市民が参加するウォークやシンポジウムなどで構成。ウォークは災害時避難所でもある大学キャンパスをスタートおよびゴール地点として、区内の防災施設や名所を辿りながら歩く。

 

東日本大震災の時には、多くの帰宅困難者が発生しました。

 私の知人も、電車が動かないため、6時間ほどかけて、東京から歩いて自宅まで帰ってきました。

 靴ずれもできて、とても大変だっと話してくれました。

 このブログを読んでいる人の中にも、電車が動かずに帰宅困難者になった人がいるかと思います。

 

■行政は、災害対策の支障になるため、災害があっても会社に残るように、そして、企業に水や食料などの備蓄物資を確保するように要請をしていますが、なかなか進んでいないようです。

 

■そもそも、家に帰るためには、自分の足で歩かなければなりません。

あまり運動する習慣のない人は、会社から自宅まで歩く必要が出たときに、歩くことが

できるでしょうか。

 

■この活動の趣旨は、

大きな災害があったにしても、被災地からでも、約20キロ離れることができれば、かなりの確率で地震被害地から抜け出せる。

ことから来ています。

 東日本大震災のような大災害であっても、日本全土が被害にあっているのではないのです。

 

阪神大震災の時は、神戸は大被害でも大阪は普通の生活を送れていましたし、東日本大震災の時でも、太平洋側の沿岸部は大被害を受けましたが、内陸部はほとんど被害受けませんでした。

 

■被災地から、ある程度離れるだけで、普通の生活を送れる場所があるのです。

そのことを知っていて、そこに行く準備をしておくことが重要なのです。

これは、明日にも続きます。

 

ガラスの防災対策

■災害発生時に、防災拠点となる施設の耐震化が進んでいます。
新聞報道によると、学校や公民館などの施設の9割の耐震化が完了したそうです。
9割の耐震化が終わったので一安心。

mainichi.jp

熊本地震のガラス被害報告です。

http://www.itakyo.or.jp/upload/2016-kumamoto-earthquake-report.pdf

 

■しかし、意外と見落とされがちなのが、ガラスの防災対策です。
割れたガラスは、凶器になります。
熊本地震でも、建物のガラスが割れて散乱し、防災拠点が使えない。割れたガラスが上から落ちてきて2次被害を引き起こす。

そんなことがあったそうです。

 

■建物のガラスは、地震によるゆがみや、ものが当たって割れます。
今の建物は、とてもたくさんのガラスを使っています。
デパートやショールームなどでは、おおきなガラスを使っています。
あのガラスが、パリンパリンと割れるのです。

 

■強化ガラスだから大丈夫、飛散防止シートを張っているから問題ない。
そう思っている人もいるかもしれません。

 

■強化ガラスは地震などの時には役に立ちません。
パリンパリンと割れます。
また、飛散防止シートにしても、太陽の紫外線によって劣化します。劣化した飛散防止シートは役に立ちません。地震により割れたガラスは、飛散します。

 

■今のところ一番安全なガラスは、合わせガラスです。
自動車のフロントガラスに使われているガラスです。
これは、割れても飛散しません。

 

■災害時に防災拠点になる場所は、合わせガラスを導入したほうが良いです。
また、個人の住宅でも、できれば、合わせガラスの導入を考えたほうが良いです。

合わせガラスは無理! ならば飛散防止フィルムも、劣化する前に張り替えれば大丈夫です。


地震が起きたとき、家は大丈夫だったけど、割れたガラスでけがをしたでは、悔やんでも悔やみきれません。

災害時に水を運ぶ方法

■大災害で、水道が使えなくなった時、真っ先に困るのが消火用水の確保である。

火事が起きた時に、水がない。

そんな時の対策をいろいろ考えておきたい。

 

災害対策は総力戦になる。

たくさんのアイデアを持っている人が、生き残れるし、人を助けることができる。

 

■水を運ぶのは、意外と大変だ。蛇口をひねれば水が出る生活をしていると、水を運ぶ必要がない。必要が無いから、水を運ぶ道具がない。

常に水を抱えて運んでいるのは、消防車くらいのものだ。

 

■水を運ぶのにはどうすればいいのか。

いくつかある対応策の中で、コンクリートミキサー車を使う方法がある。

生コンを運ぶコンクリートミキサー車であるが、これは水を運ぶことができる。

大災害が起こった時、コンクリートが必要になるとは思えない。

コンクリートミキサー車は約4000リットルの水を運ぶことができる。

これだけの水があれば、十分初期消火ができる。

 

コンクリートミキサー車が運ぶ水は、飲料水としては使えない。

だけど、生活用水として使う分には問題ない。

生活用水があれば、水洗トイレが使える。

避難所の衛生環境を改善することができる。

 

コンクリートミキサー車は水を運ぶことができる。

そのことを知っておいてほしい。

 

津波の記憶を刻む

■過去に津波被害を受けた教訓を、後世に残すためにつくられた石碑をデータベース化するプロジェクトが進んでいます。

寺社・石碑データベース:

 皆さんの知り合いが住んでいるところでも、石碑がある場所があるのではないでしょうか。

 

■私が住んでいるところの近くにも、このような石碑が残っています。

 こちらでは、津波供養塔の名前で残っています。

 沿岸部を中心に、津波供養塔が27基、言伝えは6伝があります。

 私の住んでいる地域が特別ではなくて、海に接しているところでは、どこでも津波被害を受けています。

 

東日本大震災以前は、このような情報を出すことは嫌がられました。

 自分の住んでいるところで、そんな被害が起きるわけがない。

 そんな情報を出して、お客さんが土地を買わなくなったら、どうしてくれるんだ。

 風評被害を出すのか!

 まあ、いろいろなことがありましたが、東日本大震災以降は、正確な情報を出すことの重要性が、わかってきたようで、あまり文句を言われることもなくなりました。

  

■必要なのは、正確な情報をもって、準備すること。

 大自然に対して、人間ができるのは、このくらいしかないのではないでしょうか。

 津波に合うような場所に住んでいないから、大丈夫ではないのです。

 旅行先、仕事先、いろいろなことで、被害を受ける可能性はあるのです。

 必要以上に、怖がる必要はありません。ただ、ちょっとだけ知識をもっているだけでだいぶ違うのです。

 皆さん、ちょっとだけ怖がって、知識を持っていください。

 

防災対策で美女!?

■防災対策をやる人はおじさんが多いわけです。

職場での会話です。

「防災対策って、地味だよね」

「そうだね。大体俺たちの職場が忙しい時は、とんでもないことが起こっているときだから、暇なほうが絶対良い」

「そうだよね、人が困っているときが、一番忙しいだから…」

 

■ただ、中には、

2018年準ミス・インターナショナル日本代表の防災対策職員がいたりします。

■こんな美女がいたら、災害対策本部も楽しくなるかもしれません。

 

さつまいも 収穫

■サツマイモを収穫しました。

畑に畝を作り、春にサツマイモを定植しました。

今回収穫したのは5m×2.5m、おおよそ駐車場1台分くらいの大きさです。

一輪車一杯分の収穫がありました。

 

■ソーラーシェアリングの畑です。

太陽光を分け合いながら、電気と農作物を作っています。

太陽光パネルは、日光を約3割、遮ります。

都会でしたら、マンションの樹木が植えてある一角も、このくらいの日射量になるのではないでしょうか?

十分、育つのではないかと思います。

 

■サツマイモは、ほとんど手間はかからずに、作れます。

秋になったら、芋掘りができ、おいしく食べることができます。

食べきれない分は、新聞紙にくるんで、ちょっと暖かいところにおいておけば、春までおいしく食べられます。

 

■農家の自給自足の知恵ですね。

災害対応と肩ひじ張らずに、農作業を楽しみながら、やってもらえれば、幸いです。