生産備蓄 (防災担当の災害対策ノート)

兼業農家の防災担当者が、農業と災害対策について語ります。

防災 熊本地震 支援物資 その2

みなさん、こんにちは。

防災担当の農家です。

■プッシュ型の支援


熊本地震では、初めてプッシュ型の支援が行われました。
プッシュ型とは、被災地からの支援が要請がなくても、国が避難者の要望を想定して、物資を送り届けるものです。

 

今までの経験から、時間の経過とともに、被災地で必要となる物資は予測がつくので、プッシュ型支援を行います。


今回のプッシュ型は、地震の発生から一週間行い、

主に、命をつなぐための物資(食料・水)を重点的に輸送します。

 

■プッシュ型支援の課題
プッシュ型支援は有効であったと思われる反面、いくつかの問題点が指摘されています。

 

1.担当が縦割りで連携ができていない。
 飲料水は厚生労働省、食料は農林水産省、毛布は消防庁、携帯トイレは経済産業省、おむつは厚生労働省となっています。

 支援物資の担当を総合的に判断する部署はありません。

 

 そのため、

 ブルーシートが大量に届いたが、それを固定するロープが届かないため、使えない。
 水とカップラーメンが届いたが、カセットコンロとやかんがない。

 

 そのようなことが発生します。

 

 担当者も慣れない作業で、手一杯です。
 そのため、他部局と連携し、全体を見渡して、必要物資を送ることまで、手が回らないのです。

 

2.支援物資が大量に届く。
 震災時の被害想定は、コンピューターが瞬時に計算します。

 被害想定を基に、必要な支援物資の量を計算します。 

 

 熊本地震震度7が2回発生しました。

 かなりの大きな被害を想定したと思います。

 
 被害想定を基に、必要な支援物資の量を計算して、被災地に送り込みます。

 そして、これが物資の集積拠点に、一度に送られます。

 

 4tの水が配達されてきました。
 集積拠点に配置された職員では、とても対応できません。

 

 プッシュ型支援は有効なのですが、いろいろと課題もあります。

(明日に続きます。)